LASTLOVE

「…った!」

あたしは、嬉しさのあまり声が出なかった。

政樹が水から袋に入れられたシルバーの携帯を持ち上げた時、自分が助かることを確信した。

「さっきの、リングの番号…!」

「ああ…!」

「あたし、忘れちゃったぁ…!」

「俺は覚えてるから大丈夫。」

「よかった…!今すぐかけて!」

「上がるから待って。」

政樹は、滝から上がり体を拭き、デニムをはくと、ゆっくりと携帯のボタンを押しはじめた。

あたしは、手に汗握りながら回りを見張り、心臓が止まりそうなくらいドキドキした。