「早くよこせよ!」

あたしは、咄嗟に春が政樹を殴った遺跡の木片を掴むと、本気で春をぶん殴っていた。

「うあっ…」

春はよろめき、頭を摩りながら、後ろに倒れた。

「春!最低だよ!」

「うるせぇ…。お前らが別れてたら、こんなことにはならなかったんだよ…。」
「あたし達のせいにするのは辞めて!」

「夢…お前本気で俺とは…?」

怒りが腹の底から煮えたぎっていた。

「戻らないし、顔も見たくない。…消えてよ!二度と現れないで!」

あたしが叫ぶと春はフラフラと立ち上がった。

「ああ…消えてやる。」