「夢の密もほしい…。そしたら、俺は…このリングだけでも謎が解けるから…。」

「ふざけんなよ!」

政樹は、あたしの手を引いて滝を出ようとした瞬間、春があたしを力ずくで引き寄せ、滝に引きずり込んだ。一瞬のことで、抵抗もできないし、水に顔を付けられむせてしまい、何も考えられなくなった。

「夢!」

「俺も生きたい!夢と生きたい!」

ボコッ…と骨が折れるような音がし、一気に、水の中に体が吸い込まれた。
水中から、眩しい空が見える。泡がいくつも出来て、まるで水槽の中の魚になったよう…。
その光景を遮ったのは政樹だった。