LASTLOVE

「ヒント…何だろう?」

その時だった。滝の向こうに人影が見える。

「あれ…?」

あたしは、背筋がゾクゾクと冷たくなるのを感じた。
「政樹…。」

腕にしがみついた瞬間、突然滝から手が飛び出してきた。

「きゃぁぁぁ!」

「うおっ!」

二人して悲鳴をあげながら、身を強張らせるしか出来なかった。

「夢…。」

滝を潜り…春が顔を出した。滝を浴びたから全身びしょびしょなのは、もちろんだが、目が真っ赤に充血し、水とも、涙とも区別のつかない雫が頬を伝っていた。

「は…春…。」

あたしは、わけのわからない恐怖心で何も言えなかった。