LASTLOVE

次第に、天候が悪化し、黒雲が空を覆い隠していた。
「スコールかな…」

政樹はパッチリとした瞳で一心にそらを見上げていた。それに見とれていると、ポツリと顔に雫が垂れてきた。

「降り出したね。」

雨宿りする場所を急いで探し、木陰に隠れた。完全に避けきれないが、それでもまだマシだ。

「夢…。」

突然、政樹はあたしの体を引き寄せ抱きしめた。それにこたえるまま、無我夢中でキスをした。

頭の片隅に明日への不安がある今、少しでもお互いの温もりを感じたかった。

その時…ガサッと音がし、即座にその方向を確認すると、そこには奈緒と翔君がいた。