LASTLOVE

崖の先の部分が雪崩のように崩れ海に飲み込まれていくのが見えた。
樹木が尽く倒され、次々と海へと一緒に落ちていく。
さっきまで寝ていた場所だ。あたしは真っ青になっていた。

(もし、まだあそこにいたら…)

考えるだけでも恐ろしい。まだ、さっきの場所からさほど離れてはいないが、ここは地盤がしっかり出来ているのか、崩れることは無かった。

「危なかったな…。」

地震がおさまると政樹は震える声で言った。

「運…だね。あと少し遅かったら巻き込まれていたし…。」

「そうだな。先を急ごう。」

今度は何も話さず、速足で歩いた。