「え?」

「俺、中途半端な人生を送ってた。」

「そんなこと言ったら、あたしも…でも、今回のことで、日々の大切さとか、わかった。」

「俺も。なぁ…夢…?」

「ん?」

政樹はあたしを腕枕すると、ギュッと抱き寄せた。

「帰ったら、結婚しよう。卒業して働いて、家族を作ろう。」

「ま…政樹…。」

「夢。俺、夢のためなら何でも出来るよ。必ず、ここから一緒に脱出させてみせるから…。」

「うん。」

「だから、絶対俺に着いてきて。離れないで。」

「当たり前だよ。もう…政樹がいないなんて考えられないよ…。」