LASTLOVE

「ごめんね…急に握られたから。」

政樹はあたしの頭をポンポンした。

「政樹は?美月さんと何か無かった?」

政樹はフッと笑った。

「何もないよ。あるわけないだろ!」

「ならよかったぁ…。」

「俺、記憶喪失なんつ初めてなった…。車に乗ってた記憶しかない。」

「春と話してて、銀山飛行場に向かってたのは思い出した…」

「あ…そうだ…」

「おーい!」

不意に春があたし達を呼んだ。
あたし達は我に帰ると皆のもとに駆け寄った。

翔と奈緒も意識を取り戻したようだった。
そこにはあたし達の荷物も置いてあった。