「大丈夫です」
互いに意思を確認する。狂気の一線。眼に見え無い日常と非日常の曖昧な境界線を、今、二人は飛び越そうとしている。護送車が二人の前を通り過ぎ、取材人が殺到する。通称スドウ山と云われる麓に護送車が止まりドアが開く。フラッシュ。回りの取材人が一斉にカメラで護送車を映し出す中、頭にジャンバーを被された黒のジャージ姿の石川が姿を表す。
「石川!」
高濱が怒声を上げて石川の元に駆け出す。怒りの炎が高濱の全身を焦す。
「タカさん!」
憤怒の表情の高濱と、驚きを隠せない石川は十メートルの距離越しに視線を絡ませ合う。
「死にたく無い奴は離れろ!」
怒声を上げる高濱が、懐から出したプラスチック容器から出ている導火線に火を点ける。バチバチと、導火線が激しく燃え盛り黒煙を上げる。悲鳴。混乱。高濱が手に掴んでいる物を石川に向って投げ付けた時、恐怖が絶頂に達したのか、集まった人は四方八方に逃げ出し、その直後、激しい轟音と共に、辺りに2000℃の炎が広がり、釘やパチンコ球が炸裂した。
「瀬戸!」
高濱は大声で瀬戸に呼び掛ける。辺りは、負傷した人間が横たわり、人肉を焦した臭いが充満する。戦場の様に凄惨な現場。高濱は、頭から血を流している石川の前に立ち、胸倉を掴む。
遠くからパトカーの音が響き渡る。時間にして、後数分でこの辺りは包囲されるだろう。瀬戸は、手に持ったナパームに火を点けて遠くに放り投げる。陽動。断続的に爆発音が響けば、それだけ時間が稼げるだろうと云う判断の元、瀬戸は無差別に手製のナパーム弾を放り投げる。
「久し振りだな」
「お出迎えですか?」
互いに意思を確認する。狂気の一線。眼に見え無い日常と非日常の曖昧な境界線を、今、二人は飛び越そうとしている。護送車が二人の前を通り過ぎ、取材人が殺到する。通称スドウ山と云われる麓に護送車が止まりドアが開く。フラッシュ。回りの取材人が一斉にカメラで護送車を映し出す中、頭にジャンバーを被された黒のジャージ姿の石川が姿を表す。
「石川!」
高濱が怒声を上げて石川の元に駆け出す。怒りの炎が高濱の全身を焦す。
「タカさん!」
憤怒の表情の高濱と、驚きを隠せない石川は十メートルの距離越しに視線を絡ませ合う。
「死にたく無い奴は離れろ!」
怒声を上げる高濱が、懐から出したプラスチック容器から出ている導火線に火を点ける。バチバチと、導火線が激しく燃え盛り黒煙を上げる。悲鳴。混乱。高濱が手に掴んでいる物を石川に向って投げ付けた時、恐怖が絶頂に達したのか、集まった人は四方八方に逃げ出し、その直後、激しい轟音と共に、辺りに2000℃の炎が広がり、釘やパチンコ球が炸裂した。
「瀬戸!」
高濱は大声で瀬戸に呼び掛ける。辺りは、負傷した人間が横たわり、人肉を焦した臭いが充満する。戦場の様に凄惨な現場。高濱は、頭から血を流している石川の前に立ち、胸倉を掴む。
遠くからパトカーの音が響き渡る。時間にして、後数分でこの辺りは包囲されるだろう。瀬戸は、手に持ったナパームに火を点けて遠くに放り投げる。陽動。断続的に爆発音が響けば、それだけ時間が稼げるだろうと云う判断の元、瀬戸は無差別に手製のナパーム弾を放り投げる。
「久し振りだな」
「お出迎えですか?」


