第七章 終焉
晴れ渡った空に、ヘリが慌しく飛んでいる。高濱達は、車の中から護送車が訪れるのを待っている。互いに、動き易いジーンズにダウンジャケットと云う格好で、明け方から現場検証が行われる地域一帯を下調べしている。
高濱は、ホットの缶コーヒーをグビリと飲み、時計を見る。予定では、後十分程で石川を乗せた護送車が来る筈だ。
「後悔、していませんか?」
「いや、俺は大丈夫だ。妻と娘のあんな姿を見せられた張本人に、もう少しで対面出来るんだからな」
「何故、こんな事に成ったんでしょうね……」
「理由なんか無いさ。俺も、自分の身にこんな事が起こる迄は、殺人なんて他人事だと思っていたよ」
「身に降り掛かって、初めて分かる事って有ると思います」
「明日は我が身、か。身に摘まされる言葉だ」
「誰しもが、加害者と被害者に成り得るって事です」
「だが、復讐をする人間が皆無なのが不思議で仕方が無いよ」
「法治国家ですからね。ハムラビ法典って訳には行かないですよ」
「狂気の風に当てられたんだ。乗り越えるのならば、従順に成るか、自分が狂気に身を委ねるしかない」
「誰も、僕達の事を非難なんて出来ないですよ」
「残された遺族の気持は、その立場にならなけれりゃ分からないさ。殺しをする人間の気持もな」
車内の中、二人はそれ程に親しく無い筈だが、共通した目的を達成する為に、同じ境遇の身の上が、急速に二人を近付ける。
「来たぞ!」
大通りの先、数台の車が護衛する中、大型の護送車が走って来る。行き着く先。森林に囲まれた小高い山。高濱は、近付いて来る護送車を睨み付け、二人は車から降り立つ。一陣の風が、車から降りた二人の顔を撫で付ける。身体の芯から凍えたく成る程の寒さだが、二人の身体はこれから起こす行動を考えて火照りすら覚える。
「準備は良いな?」
晴れ渡った空に、ヘリが慌しく飛んでいる。高濱達は、車の中から護送車が訪れるのを待っている。互いに、動き易いジーンズにダウンジャケットと云う格好で、明け方から現場検証が行われる地域一帯を下調べしている。
高濱は、ホットの缶コーヒーをグビリと飲み、時計を見る。予定では、後十分程で石川を乗せた護送車が来る筈だ。
「後悔、していませんか?」
「いや、俺は大丈夫だ。妻と娘のあんな姿を見せられた張本人に、もう少しで対面出来るんだからな」
「何故、こんな事に成ったんでしょうね……」
「理由なんか無いさ。俺も、自分の身にこんな事が起こる迄は、殺人なんて他人事だと思っていたよ」
「身に降り掛かって、初めて分かる事って有ると思います」
「明日は我が身、か。身に摘まされる言葉だ」
「誰しもが、加害者と被害者に成り得るって事です」
「だが、復讐をする人間が皆無なのが不思議で仕方が無いよ」
「法治国家ですからね。ハムラビ法典って訳には行かないですよ」
「狂気の風に当てられたんだ。乗り越えるのならば、従順に成るか、自分が狂気に身を委ねるしかない」
「誰も、僕達の事を非難なんて出来ないですよ」
「残された遺族の気持は、その立場にならなけれりゃ分からないさ。殺しをする人間の気持もな」
車内の中、二人はそれ程に親しく無い筈だが、共通した目的を達成する為に、同じ境遇の身の上が、急速に二人を近付ける。
「来たぞ!」
大通りの先、数台の車が護衛する中、大型の護送車が走って来る。行き着く先。森林に囲まれた小高い山。高濱は、近付いて来る護送車を睨み付け、二人は車から降り立つ。一陣の風が、車から降りた二人の顔を撫で付ける。身体の芯から凍えたく成る程の寒さだが、二人の身体はこれから起こす行動を考えて火照りすら覚える。
「準備は良いな?」


