深夜に男が二人向かい合って酒を飲み交わしているが、その味は決して美味い物では無い。憎しみの味。憤りと悲しみのブレンドされた酒を、高濱は思い切り煽り黙り込んでいると、瀬戸はハッキリとした声で話し出す。
「先日、街で高濱先輩を見ました」
高濱は掌で弄んでいるグラスをテーブルに置き、瀬戸に視線を向ける。
「尾行する気は無かったんです。でも、声を掛けるタイミングを計っているうちに……」
「それで?」
高濱は、自分の鼓動が早く成るのを感じ乍、平静を装い瀬戸に問い掛ける。
「僕は、犯人に復讐するつもりで、馬鹿なりに、色々な本や専門書を読みました。その中に、高濱先輩が買い集めた物を合わせたら、ある物が出来る事が分かったんです」
「……何が云いたいんだ」
「僕も、その計画に参加させて下さい」
「お前……」
「明日、新しい証言を元に、実況見分を行うって云う事は調べが付いています」
「こんな深夜に、笑えない冗談だ」
「後に引く気は有りません」
「馬鹿馬鹿しい」
睨み合い。互いに腹の探り合いをする様に、視線で牽制し合う。
「襲撃するんですよね?」
「……」
「復讐をするんでしょ?」
「手を引く気はないのか?」
「ええ」
「復讐を遂げた後は、何も残らないんだぞ」
「今の裁判の侭だと、判決が下るとしても、数年も先に成る、悲しみが薄れて行くのは、耐えられないんです」
「復讐に、身を焦すか……」
「報道を見ている限りでは、それ成りに複雑な理由が有るんでしょうけれど、そんな事は、僕には関係無い」
揺ぎ無い決意。高濱は、瀬戸の固い決意を受けて静かに頷く。
「こっちに来るんだ」
高濱はグラスを片手に立ち上がり、瀬戸に声を掛けると台所に移動する。
「これだ……」
台所のテーブルの上。広げられた道具を掴み、高濱は寂しげな瞳を浮かべる。
「普通に、生活をしたいだけだったんだ」
「先日、街で高濱先輩を見ました」
高濱は掌で弄んでいるグラスをテーブルに置き、瀬戸に視線を向ける。
「尾行する気は無かったんです。でも、声を掛けるタイミングを計っているうちに……」
「それで?」
高濱は、自分の鼓動が早く成るのを感じ乍、平静を装い瀬戸に問い掛ける。
「僕は、犯人に復讐するつもりで、馬鹿なりに、色々な本や専門書を読みました。その中に、高濱先輩が買い集めた物を合わせたら、ある物が出来る事が分かったんです」
「……何が云いたいんだ」
「僕も、その計画に参加させて下さい」
「お前……」
「明日、新しい証言を元に、実況見分を行うって云う事は調べが付いています」
「こんな深夜に、笑えない冗談だ」
「後に引く気は有りません」
「馬鹿馬鹿しい」
睨み合い。互いに腹の探り合いをする様に、視線で牽制し合う。
「襲撃するんですよね?」
「……」
「復讐をするんでしょ?」
「手を引く気はないのか?」
「ええ」
「復讐を遂げた後は、何も残らないんだぞ」
「今の裁判の侭だと、判決が下るとしても、数年も先に成る、悲しみが薄れて行くのは、耐えられないんです」
「復讐に、身を焦すか……」
「報道を見ている限りでは、それ成りに複雑な理由が有るんでしょうけれど、そんな事は、僕には関係無い」
揺ぎ無い決意。高濱は、瀬戸の固い決意を受けて静かに頷く。
「こっちに来るんだ」
高濱はグラスを片手に立ち上がり、瀬戸に声を掛けると台所に移動する。
「これだ……」
台所のテーブルの上。広げられた道具を掴み、高濱は寂しげな瞳を浮かべる。
「普通に、生活をしたいだけだったんだ」


