よくわからないけれど関わらない方がいいと思ったので、

「あの、それじゃ、私はここで…」

と言って逃げようとした。

が、

「えっちょっと待ってよ」

と男は私の腕を掴んだ。

「…ほらっお礼とかしてないし…」

「いえ、結構ですぅ…」

自分でも顔がひきっつているのがわかった。

「てか、あのさ……」

「はい?」

「泊めてくんない?」

「は?」

「お願いっ一晩だけでいいからっ。俺、寒くて死にそうなんだよ」

男は私をつんでた手をはなし、頭を下げて頼んできた。

確に春と言ってもまだ肌寒く、夜を過ごすにはきつい感じだ。

でもえたいのしれない男を泊めるわけにはいかない。一人暮らしだし。

「いっいやです」