「そのつもりやで」
微かに笑みを交わし、私はウィンドウ越しに空を見上げる。坂部の心の中で、今日の出来事が悲しい夜だと思う日が、何時の日か思い出に変わる日が来るのだろう。私はシートに身体を預け、ヤク入りの煙草を、ウィンドウを開けた隙間から街へとばら撒いた。
*
―自分を壊し乍ら生きていくのは見てられん
関の言葉が頭に反響している。ヤクが切れ、関に手渡された薬を飲んだが、タイミングが悪かったのか、酷い頭痛に私は立ち上がる事も出来ずにベッドに横たわっている。田中夫妻の事件から三日。私は会社を休んで身体から薬を抜く為に部屋に閉じ篭っている。
色々な記憶がオーバーラップする。両親が惨殺されたのを切欠に、私は、私を壊す生き方をして来た。権力があれば犯罪すらも捻じ曲げる事が出来る。小学生だった私には、色々な意味で衝撃的な出来事だった。 ト ラ ウ マ精神的外傷と云うのがあると聞くが、私も例に漏れる事無く、心の奥底に深い疵を負ったのだろう。私は捨て鉢の気分で日々を過ごしていた。死ぬ事は怖くない。いや、生と死のライン上でしか生きている実感を得る事が出来無い。そんな破綻した人格で得た物は、刹那的な快楽でしかない。
―最低だな
ノソリと、脳味噌の奥から湧き上がって来る思い出したくも無い記憶が蘇る。切り取られた腕。苦痛で歪んだ父の顔。私の命を懇願する母。眼の前が血の海になる。
―駄目だ!
微かに笑みを交わし、私はウィンドウ越しに空を見上げる。坂部の心の中で、今日の出来事が悲しい夜だと思う日が、何時の日か思い出に変わる日が来るのだろう。私はシートに身体を預け、ヤク入りの煙草を、ウィンドウを開けた隙間から街へとばら撒いた。
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―自分を壊し乍ら生きていくのは見てられん
関の言葉が頭に反響している。ヤクが切れ、関に手渡された薬を飲んだが、タイミングが悪かったのか、酷い頭痛に私は立ち上がる事も出来ずにベッドに横たわっている。田中夫妻の事件から三日。私は会社を休んで身体から薬を抜く為に部屋に閉じ篭っている。
色々な記憶がオーバーラップする。両親が惨殺されたのを切欠に、私は、私を壊す生き方をして来た。権力があれば犯罪すらも捻じ曲げる事が出来る。小学生だった私には、色々な意味で衝撃的な出来事だった。 ト ラ ウ マ精神的外傷と云うのがあると聞くが、私も例に漏れる事無く、心の奥底に深い疵を負ったのだろう。私は捨て鉢の気分で日々を過ごしていた。死ぬ事は怖くない。いや、生と死のライン上でしか生きている実感を得る事が出来無い。そんな破綻した人格で得た物は、刹那的な快楽でしかない。
―最低だな
ノソリと、脳味噌の奥から湧き上がって来る思い出したくも無い記憶が蘇る。切り取られた腕。苦痛で歪んだ父の顔。私の命を懇願する母。眼の前が血の海になる。
―駄目だ!

