私は田中夫妻の握り締められた手をもう一度強く結び直し、点滴の針を抜いて後片付けをする。
「ワシ等は行くで」
「は、はい……」
「坂部君も、早く現場を立ち去るんや」
坂部は無言で頷く。
「田中夫妻の思いを無駄にしたらあかん。此処から先、坂部君にはこの現実を受け止めて戦う道が残されているんや」
「……はい」
坂部は今迄に無く弱々しく関の言葉に答える。
「行くで」
関が先に玄関に歩いて行く中、私は坂部の足元に小さなメモを残して関の後に付いて行く。
玄関を出て外に出る。小雪はボタン雪に変わり、街を白い色が覆い尽くしている。
「何を渡したんや?」
「心の整理が付いたら、依頼を頼んだ店に来る様に指示をしたんだ」
「何でや?」
「気まぐれだよ」
車に乗り込み、関はエンジンを掛けて車を走らせる。
「素直やないな」
「何が?」
「あの坊主の心の支え、買って出たんやろ?」
「さあね」
私が惚けた口調で関に切り返すと、関は微かに笑い「飲みに行くか?」と誘い水を向けて来る。
「オールドパルで頼むよ」
「ワシ等は行くで」
「は、はい……」
「坂部君も、早く現場を立ち去るんや」
坂部は無言で頷く。
「田中夫妻の思いを無駄にしたらあかん。此処から先、坂部君にはこの現実を受け止めて戦う道が残されているんや」
「……はい」
坂部は今迄に無く弱々しく関の言葉に答える。
「行くで」
関が先に玄関に歩いて行く中、私は坂部の足元に小さなメモを残して関の後に付いて行く。
玄関を出て外に出る。小雪はボタン雪に変わり、街を白い色が覆い尽くしている。
「何を渡したんや?」
「心の整理が付いたら、依頼を頼んだ店に来る様に指示をしたんだ」
「何でや?」
「気まぐれだよ」
車に乗り込み、関はエンジンを掛けて車を走らせる。
「素直やないな」
「何が?」
「あの坊主の心の支え、買って出たんやろ?」
「さあね」
私が惚けた口調で関に切り返すと、関は微かに笑い「飲みに行くか?」と誘い水を向けて来る。
「オールドパルで頼むよ」

