リアル

後、数時間内に連絡が入り計画は決行される。これで良い。坂部は何度も自分に云い聞かせて車に乗り込みステアリングを握り締める。坂部は車内で俯き声を噛殺す。自然と坂部の頬を涙が伝い流れて行く中、坂部は顔を上げてアクセルを踏み込む。もう後に引く事は出来無い。流れて行く街を横目に、坂部は担当している次の家に向かい、気持を切り替え仕事に挑む様に心をコントロールした。

終章 現実
「時間は二十三時五十分が決行の時間や」
「分かりました」
「坂部君が立ち会うのにあたって、最低限のルールがあるんや」
「何ですか?」
「決して明かりを点けない事。それと、後ろを振り向かない事や」
「如何云う意味ですか?」
「殺しをする奴の顔を見る事は、裏の世界ではタブーなんや。顔を見られると云う事は、自分の命を晒す事になるからな」
「分かりました」
「聞き分け良くて助かるわ」
「僕は、ベッドの脇に座っています」
「後の指示は、ワシの言葉に従うんやで」
「お願いします」
「ほな、今日の夜にでも」