第六章 願い
予想よりも早く坂部はママの元を訪れたらしい。私が訪れた数時間後に店に来たと云ったママの言葉を思い出す。数日程の間を開けてママの元に行くと、依頼を受けたと云う旨を伝えられた。二週間以内に坂部の依頼をクリアする。日数的には問題は無いが、坂部から提示された条件が若干問題に成る。絶対に苦痛を伴わない方法で殺すこと。これは簡単な様で、実はかなり難しい。本来殺人等は、相手の苦痛等に迄言及した依頼は無いと云って良い。殺したい程憎い相手に、楽な死を求める奇特な人にはまだ会った事が無い。どれだけ思案を繰り返したとしても、私の頭の中で出て来る方法は、どれも苦痛が伴ってしまう。そうして、色々と考えた結果、私は関に相談をする事にした。関は同じ店に居て話を聞いている。片棒を担いで貰うのが一番手っ取り早い方法だ。待ち合わせの時間は夜の十九時。場所は以前坂部を運んだ「オールドパル」だ。私は仕事上がりのスーツ姿の侭「オールドパル」の扉を開く。
「私の店に迷わず来る。店からしたら表彰物だよ」
「一途な性格だからね」
麓がカウンター越しに笑い掛けて来る。シンクの手前。朋子と呼ばれた女が軽く頭を下げて来る。
「先日は営業の邪魔をして悪かったよ」
私が謝罪すると、麓は軽く頭を左右に振り眼でスツールを勧めて来る。
「何にします?」
朋子が笑顔で話し掛けて来る。私は棚に視線を向けて一本のボトルに眼を止める
予想よりも早く坂部はママの元を訪れたらしい。私が訪れた数時間後に店に来たと云ったママの言葉を思い出す。数日程の間を開けてママの元に行くと、依頼を受けたと云う旨を伝えられた。二週間以内に坂部の依頼をクリアする。日数的には問題は無いが、坂部から提示された条件が若干問題に成る。絶対に苦痛を伴わない方法で殺すこと。これは簡単な様で、実はかなり難しい。本来殺人等は、相手の苦痛等に迄言及した依頼は無いと云って良い。殺したい程憎い相手に、楽な死を求める奇特な人にはまだ会った事が無い。どれだけ思案を繰り返したとしても、私の頭の中で出て来る方法は、どれも苦痛が伴ってしまう。そうして、色々と考えた結果、私は関に相談をする事にした。関は同じ店に居て話を聞いている。片棒を担いで貰うのが一番手っ取り早い方法だ。待ち合わせの時間は夜の十九時。場所は以前坂部を運んだ「オールドパル」だ。私は仕事上がりのスーツ姿の侭「オールドパル」の扉を開く。
「私の店に迷わず来る。店からしたら表彰物だよ」
「一途な性格だからね」
麓がカウンター越しに笑い掛けて来る。シンクの手前。朋子と呼ばれた女が軽く頭を下げて来る。
「先日は営業の邪魔をして悪かったよ」
私が謝罪すると、麓は軽く頭を左右に振り眼でスツールを勧めて来る。
「何にします?」
朋子が笑顔で話し掛けて来る。私は棚に視線を向けて一本のボトルに眼を止める

