「侑志様。到着いたしましたよ。」 運転手が俺に声をかける。 「あぁ…ありがと」 「大丈夫ですか?具合があまりよろしくなさそうですが…」 「…大丈夫だ。行って来る。」 そう言って、車を下りる。 目の前には大きなビル。 俺は溜息をひとつ零して、ビルへと足を進めた。