「あのね…?」 「ん?」 「…っ…」 ちゃんと、目を見て言わなきゃ…失礼だ。 でも……ムリだよ。 顔なんて見れない。 「どうしたの?」 急に黙ったあたしを心配する大稀くんの声。 よし……覚悟、決めた。 あたしは顔を上げて、大稀くんと視線を重ねた。 膝の上にある拳に、ギュッと力を入れる。