「着きましたよ。」 運転手が笑顔で俺達の方を見る。 俺は綾の髪から手を離し、 「ありがとう」 運転手にお礼だけ言って車を降りた。 ……綾を待たずに。 いつもは待っててあげるけど。 後ろを振り返らずに、そのまま教室へと向かう。 はぁー…。 マジで情けねぇ。 こんな事ぐらいで冷たくするとか…。