「一登、帰ろ─ぜ」 「恭平…、」 俺の目の前で閉まっていく部室の扉。 その視界に制服に着替えた恭平が入った。 「まだ練習着じゃんか…早く着替えろよ」 「あぁ…わりぃ」 俺はタオルを手に取り、男子バスケ部の部室に入った。 「……」 “止めない” 俺は最低だ。 初純の傷ついた顔を見たくてあんなことを言った訳じゃない。