文化祭の前夜祭の日。 居ても立ってもいられなくなった俺は、翠央を体育館裏に連れ出した。 みんな前夜祭に夢中で、抜け出しても誰も気付かないような状況だ。 こんな風に、二人で話をするのも久しぶりだな…。 素直に喜べるような雰囲気じゃねぇけど…。 俺は、俯き加減で歩いてきた翠央に“大丈夫か?”って聞いたけど、返ってきたのは“大丈夫”っていう言葉。 しかも無理にニコッと笑いながら。