――― Mao.


新幹線に乗ったのは覚えている。

発車したのも覚えている。


でもでも!


「いつの間にこんなに進んだの?」


「お前が寝ている間だ」


あんなに大きいビルが見えていたはずなのに、今は辺りが山ばっかり。

ビルなんて、全く無い。



「よく寝たよな、まお? “人の肩で”」


あー、なんかいっくんが怒っている。


起きたらいっくんの肩に頭を乗せていて、あたしだってびっくりしたんだよ。

てっきり、リカちゃんだと思ったのに。




「しっかし…… よく寝たよな」


「疲れたんだもん」


普段、あまり歩か無いせいかいつも以上に疲れた。


今日は早めに布団に入ろう……。


「まお、3月14日か15日は空けとけよ」


「うん……」


14日と15日か。
なにかあるの?


首を少し傾げた。