今日は新幹線に乗って、高校に向かう。


の、前に……。
ロビーに集まって、ホテルの人に挨拶をする。


少しだけ時間があるので……。



「平本先生ー!」


「木下さんどうかしましたか?」


実は昨日。
いっくんと部屋に戻るときに、平本先生に見つかってしまった。


たまたま平本先生の部屋の前を通ったら、見回りに回りに行く平本先生が出てきたのだ。



「昨日はありがとうございました」


「いえいえ、あの後は見つからずに良かったですね」


平本先生はあたしたちのクラスの国語の先生。

バスケ部の副顧問でもある。



「見付かったのが平本先生で良かったです」


見付かった時、あたしもいっくんも“怒られるっっ”って思ったんだよね。 でも、そこは平本先生。


「――― 部屋に入っていて」


そう言って、あたしといっくんを平本先生の部屋に入れてくれた。


なんだか丁度、先生たちの見回りだったらしく……。 廊下には先生たちが沢山いたみたい。