【短編】あたしとふたご



どんよりとした空。
廊下を歩いていたあたし、清水莉子は廊下の窓から空を眺める。


……朝から天気がさえないな。


ボーっと見ている時だった。


「りー、おはよう」


後ろからあたしを呼ぶ声。
それに気付いて振り返ると、笑顔ののん君と柔らかい笑みをしたひぃ君が立っていた。


「莉子おはよう」


「ひぃ君、のん君。おはよう。遅かったね」


いつもは3人一緒に登校していたけど。
今日は2人が寝坊して別々に来た。
時間はSHRのギリギリの時間だった。


するとあたしの言葉にひぃ君は苦笑いした。


「望が遅かったからね」


「え?聖のが遅かっただろ?」


キョトンとしてひぃ君を見ているのん君。
仲のいい2人見て、クスクス笑っているとポツポツと雨が落ちてきているのに気付いた。


「あ、雨降ってきた」


窓から外を眺めながら呟くと、のん君は眉を下げた。


「えー。俺傘持ってきてないのにぃ」


「おまっ……こんな降りそうな日に……」


困ったように空を見上げているのん君をひぃ君は呆れた目で見た。
そしてひぃ君はあたしに視線を向けた。


「莉子……オレ帰り寄るとこあるから、帰り入れてやってくれる?」


「え……いいけど。寄ってくとこって?」


いつも一緒に帰ってるのに。
用があって別々に帰るなんて珍しい。


「ん。ちょっとね」


微笑みながらひぃ君が答えた直後。
後ろの方からひぃ君の友達がひぃ君を呼んだ。