君が嫌いな君が好き

【智side】

まじで、びくった。

一瞬―――――稚葉弥が2人いんのかと思った。

それくらい転校生の――――――・・・


谷野知綾は、矢野稚葉弥にそっくりだった。


・・・確かに、そっくりだけど。

なんつーか・・・

稚葉弥のほうが、全然可愛い。


隣の席の男子の恭平(きょうへい)がなぜか耳打ちしてきた。


「うっひょー♥
キミのだぁぁぁい好きなチハヤチャンにそぉっくりだねぇ♥!
どーよあーゆうの??
チハヤチャンより可愛いーとか思う???」


・・・ドアホだ、こいつ・・・。

つーかなんでこいつにバレてんだ?

オレが稚葉弥を好きだってこと・・・。


「・・・可愛くねーよ。
稚葉弥のほうが可愛いに決まってんだろ」

「ふーん・・・一途だねぇ♥」

「お前・・・ほんとやだ」


・・・ほんとやだこいつ―――――・・・。

バレバレじゃんか・・・。