【短編】君しか見えない

「郁、待てよ〜」


海斗は、当たり前のように後を追って走ってくる。



どうしたら、いいんだろう?


私は、なるべく見失うように角を曲がったり、階段を上がったり、下がったり。


日頃の運動不足のせいでかなりキツい。


私は、隠れるのに穴場のあそこを思い出し、そこを目指した。


私は、息切れでぜぇーぜぇーとなってるけど、なるだけ息を潜めた。