【短編】君しか見えない

海斗、ごめんね。
熱が冷めれば、もっとうまくつき合えるかもって思ったから。」


「俺だって、このままの想いを突き通していいのかなって。
けど、やっぱ手放せなくて。
今日、やっと勇気が出たんだ。」


私と海斗は、不器用だから。


離れることも幸せのため。


きれいごとばかり考えて。


けど、やっぱ離れるなんて無理。


だって、好きって気持ちだけが大切だから。


好きって気持ちが、君だけしか見えなくする。


「海斗、前に戻ろ?」


私は、海斗に私だけしか見ないように願いを込めながらキスをした。





end