【短編】君しか見えない

「俺は、変わってねぇ〜よ。」


海斗。


てか、みんななんでわかったの?


私は、首を傾げた。


「郁、お前を好きな男はたくさんいるんだ。
そいつらに聞いたら、郁の居場所なんか簡単だ。」


雪斗は、私の疑問がわかったみたい。


「3人して、そうなの?」


「だって、そっちのが手っ取り早いの知ってたし。」


「不本意だけど、今の俺よりくわしいのは、明らかだから。」


気持ち悪い。


私は、イヤそうな顔をした。


「仕方ないよ。
郁は、綺麗だから。」



茅乃、ズレてるから。


仕方なくないよ。


「俺は、別れたつもりはない。」


「私、言ったよね。
信じないなら無理だって。」


「けど、別れてなんて言ってない。」


へりくつかよ。


「今まで、放っておいて、なに?」


「それは....」


海斗は、さっきまでの勢いがなくなった。


「冷却期間みたいなもんだろ?」


雪斗は、海斗の味方か。


「私は、海斗のこともうなんとも思ってない。
それに....
ううん。
なんでもない。」


「それに、なんだよ。
俺は、郁だけだよ。」