実は、兵助は清士郎に夏休みの予定を聞きに来たのだ。 清士郎は兵助のことを嫌っているが兵助はそうではなかった。 (30日も会えねぇのが寂しいから、夏休みの予定聞いて偶然を装って会おうと思ったのに) 清士郎から素直な返事が返ってくるとは思わなかったから、とっさに嫌みったらしく言ってしまった。 兵助は恋に関しては物凄く不器用な男なのだ。 「あ、くそ」 清士郎が小さく言葉を零した。 「どうした?」 「あ゙ー、周蔵に伝えなきゃならんことを忘れてた」 .