んじゃあ何?と首を傾げて聞く。 さっきから目線を合わせてくれないことが気になる。 何か他に悪いことをしただろうか? すると先輩は俺の手を優しく解き、近くの教室に入って手招きをする。 俺もその意図に賛同して後について行き、後ろ手で扉を静かに閉めた。 「……お前、アイツのことを“千里(センリ)くん”と呼んでるようだが……何故だ」 「え?何故って……」 「穂高は二年生で、仮にも先輩だろう」 .