「…………は、」


何だ、今の。

清士郎が、あの清士郎が俺にありがとうって、何の前触れだよ……

明日はあれか、
槍が、降るとか、そんなんか。




「てか、てか!」


思わず顔を手で覆った。

今の俺の顔はきっと凄くニヤけていて、端(はた)から見るとかなり気持ち悪いだろうから。


「何だよ、クソ……いきなり可愛いこと言うんじゃねーよ、バーカ」

んなことされたら……




「襲いたく、なるだろうがっ」


そう小さく呟き、雪についた愛しい君の足跡を辿って走り出した。






――――素直じゃない俺の恋人は、スゴく可愛くて。


――――見つけた瞬間に、後ろから思い切り抱きしめた。






 END




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