「・・・・・・・その日だけだったけど

 それから誰にも怖くてフレられなくなった






 ・・・・・少ししてお父さんは事故で死んじゃった」








無理に平気なように

話さなくてもいいのに

フレられないっていったって

今、俺の手と柚の手はフレているのに










「・・・・・あたしのこと、嫌いになった?」






柚は少し笑いながら言ったけど

全然笑えてなかった

不安でいっぱいの顔して

今にも泣きそうな顔







「・・・・・・・・・柚」





俺は柚を抱きしめた

隙間もないくらい強く