「…グスッ……ズッ…ヒック……」
涙が止まらなくて屋上のコンクリートの上に顔を付けて気持ちを必死に落ち着かせようとしていると
「あのさ?
別れようって
嫌いって
言われただけで
俺が身を引くと思ってる?」
「………えっ?」
玲音の声が聞こえてゆっくり顔を上げると
目の前に笑っている玲音が立っていた
「…ヒック…ど…う…グスッ…して?」
「どうしてって(笑)
何年一緒にいると思ってる?
無理してるのお見通しだけど?」
「……グスッ…む…っ…りなんて…ヒック…してなっ…い」
「してるよ?」
そう言うとコンクリートの上に膝を着いて
─ぎゅっ
私を力強く抱き締めた

