遊園地から帰って家のリビングに入ると
お父さんがソファーに座っていた
「玲音とは別れないから」
後ろから声を掛けると
「そうか、
ふっ…人間自分が1番可愛いもんな?」
冷たいお父さんの言葉が心に突き刺さる
「私は何も失いたくないの」
「人は必ず大切なものを失うものだよ
俺だってお母さんを失った
楽な人生なんてない」
「じゃあ…一体…どうすればいいの?
玲音が好きなの別れたくないの…でも玲音と別れないことで
会社の人がクビになるのも嫌なの」
私にはどちらかを捨てることは出来ない
「……そんなのただの我が儘だろ
自分で考えなさい」
突き放す様な言い方
アドバイスの1つも言ってくれない
お父さんは昔からいつもそう
冷たい…
「……お父さんなんて大っ嫌い」
吐き捨てる様に言って
勢い良く階段を上って2階の自分の部屋に閉じ籠った

