面会ラウンジにやってきた修一は先週と同様、微笑んでいた。

本当に元気になってきたのだと思い、私も微笑んで修一と向かい合う。

「外泊の話が先生からあったよ。ありさが来たら帰りに杉井さんのところに顔を出すように伝えてくれって言われた」

「分かった。帰りに寄って行くね。先生は外泊はいつからだっておっしゃってた?」

「来週の水曜日はどうかって。水曜日にいつものようにありさに病院に来てもらって一緒に家に帰り、日曜に病院に戻って月曜と火曜は病院で過ごす。しばらくそのクールでやってみて、大丈夫そうだったら退院って話だ」

「そう、じゃあ木曜日は休みを貰おうかな」

「いいよ、休まなくても。退院となればまた色々休んでもらわなきゃならないかもしれないから、外泊くらいで休んだら後が大変だろ」

余り抑揚のない話し方だが、夫がこんなに風に普通に話してくるのは久しぶりだ。

修一はやっと本気で退院する気になったのだろう。