優しい雨

彼に導かれてエレベーターに乗り、四階の彼の部屋の前まで来るとまたドキドキしてきた。この心臓の高鳴りが彼にまで聞えてしまったらどうしよう。

彼は鍵を開けてドアを開くと「どうぞ」と言って私を中に入れてくれた。

ブルー系で統一された部屋は清潔な雰囲気だ。

酔いはもう醒め始めている。しかしひどく緊張して、二人きりのこの部屋で何を喋ったらいいのか分からない。

彼は私にゆったりとした二人がけのソファーに座るように勧め、冷蔵庫を探ってから

「アルコールはこれしかないんだけど、これでいい?」と言って私に向って缶ビールを見せた。

私が首肯くとビールの蓋を開けて手渡してくれた。

私はそのビールを両手で受け取って口元へ持っていく。

そして冷たい液体が喉を流れていく心地よさを感じながら、もう一度酔ってしまいたいと思った。