優しい雨

「川崎だから品川までは一緒だよ」

「かわさきぃー?川崎かぁ。うちのだんなが入院しているのも川崎だよぉー」

「知っているよ」

「そっか、そうだよねぇ」

私達は山手線に乗って話し続けた。酔っぱらった私の話に内村君が合わせて答えてくれているような感じもする。

そのうち彼は私がちゃんと帰れるが、心配になってきたのか私に訊いた。

「品川からはどうやって帰るの?」

「品川からは京急に乗り換えるかー、バスに乗るかー、歩くと二十分位かかるかなぁ。品川っていうかぁ、北品川なのよ、うち。内村君は川崎の駅から近いの?」

「いや、うちも歩くと二十分以上はかかるから、飲んで遅くなった時はタクシーかな」

「ふうーん」

電車が品川に着いて、二人でホームに降りると急に寂しくなって来た。

これから電車を乗り換える彼に付いて行きたい衝動に駆られ、酔いに任せて言ってしまった。