優しい雨

私たちが店を出ると、いつの間にか十時近くになっていた。

私は中目黒まで日比谷線で帰るという高梨君に

「また飲もうねー!」と大きく手を振り、内村君と二人JRの駅へ向かった。

カクテルを調子に乗って5杯も飲んでしまった私は、自分が明らかにいつもと違うテンションなのを感じていた。

お酒は弱い方ではないが久しぶりのお酒はそれなりに効いていた。

楽しいお酒で気分は悪くないが、目の焦点が合っていない感じだ。平衡感覚もおかしくなっているようで途中、内村君に「危ない!」と言われて腕を引き上げられた。

「加藤さん品川だよね。足元が危なっかしいけど大丈夫?気分は悪くはない?」

「大丈夫よぉー、内村君はどこだっけ?」

自分でもすっかり酔っ払いの口調になっているのが分かる。恥ずかしさを感じながらも、まともな話し方が出来ないもどかしさを感じた。