優しい雨

「あいつもこっちで楽器の会社に勤めていて、二~三ヶ月に一回くらい二人で飲みに行くんだよ。単純に高校の時の思い出話をするだけなんだけどね。話しているとタイムスリップしたみたいに、すっとあの頃に戻っちゃうのが面白くてね」

「へー、高梨君がこっちにいるんだ」

彼に今も続いている高校時代の友人関係があることを羨ましく感じた。

私はこちらに出てきてから、高校の時の友達とは年賀状のやり取りくらいしかしていなかった。

「また近い内に飲みに行こうって話しているんだけど、よかったら加藤さんも来ない?」

「えー、いいの?本当に?嬉しいな」

彼は私を元気付けようとしているのだろうか。

それとももしかしたら社交辞令かもしれないが、誘ってもらったことを嬉しく感じた。