「いいよ、加藤で」
「加藤さんもこっちに出て来てたんだ?就職で?結婚で?」
「結婚した相手がこっちの勤務になったから。もう十年前のことだけどね」
「へぇー、そうなんだ。じゃあ、ここら辺に住んでいるの?」
昔から変わっていない屈託のない笑顔で内村君は訊いて来た。
私は一瞬、どきっとしたがすぐに
「ううん、住まいは品川の方なんだけど、夫がこの先の病院に入院しているから、面会に行く途中なんだ」と正直に答えていた。
「この先の病院・・・ああ、そこなら俺も丁度、用事があるから乗って行くといいよ」
さっきより少しトーンの下がった声で内村くんは言った。
「加藤さんもこっちに出て来てたんだ?就職で?結婚で?」
「結婚した相手がこっちの勤務になったから。もう十年前のことだけどね」
「へぇー、そうなんだ。じゃあ、ここら辺に住んでいるの?」
昔から変わっていない屈託のない笑顔で内村君は訊いて来た。
私は一瞬、どきっとしたがすぐに
「ううん、住まいは品川の方なんだけど、夫がこの先の病院に入院しているから、面会に行く途中なんだ」と正直に答えていた。
「この先の病院・・・ああ、そこなら俺も丁度、用事があるから乗って行くといいよ」
さっきより少しトーンの下がった声で内村くんは言った。

