優しい雨

そして一年の月日が流れ、その間に有給の病気休暇が終わっても職場復帰できなかった修一は自己退職をした。

私は知り合いを通じて修一と私が元勤めていた保険会社の契約社員として、月・火・木・金・土曜を働き、日曜はビルの清掃の仕事をしている。

それでもマンションのローンと修一の入院費を払うのが精一杯で、自分の生活費は少ない貯金を切り崩すしかない。

それもいつまでも持つわけではないが、修一が不在のまま修一と共に十年近く過ごした部屋を離れたくはなかった。

修一が退院してくるまでは最低の生活でもいい。

私は形振り構わず仕事をし、休日の水曜日には欠かさず修一の面会をする。




それだけの日々が続いている。