優しい雨

私は震える手で一一九番に電話し、震える声で消防署員に状況を話しながら、意識のある修一とはもう会うことが出来ないかもしれないと、最悪な考えまでもが頭を過ぎった。

救急車が来るまでの間、私は放心した状態で修一の頭を抱きしめ、窓を叩く雨音を聞いていた…





救急で近くの総合病院に運ばれ胃洗浄をしてもらった修一は、幸にも命に別状は無かった。

しかしひどく衰弱していたので、そのままその病院で三日間治療してもらった後、現在入院している精神病院に転院した。


それからしばらくは閉鎖病棟で治療することになり、妻であっても面会は厳しい状況にあったが、開放病棟に移ってからは面会が自由になった。