優しい雨

「貯金と修一の退職金から・・・」

「そうだよな。それしかんないもんな。でも貯金と退職金って合わせて後どのくらいあるの?」

通帳にはあと二百万くらい残っている。去年入院保険金が下りて収入があったにもかかわらず、修一が入院していた一年間で六十万は貯金を切り崩している。

この状況で暮らせるのはあと一年半がいいところだろう。

私はもう既に計算済みだったが、そのことは修一の病気の治癒がもっと確実なものになってから話したいと思っていた。

「私の給料が入る通帳とか色々引き落とされる通帳とか、通帳はいくつかあるから、ちゃんと計算してみないと分からないよ」

「ふーん、まあどちらにしても今は大赤字だもんな。とにかく早く退院して俺が収入を得ないとな」

「そんなに焦らない方がいいよ。まだすっかり治ったわけじゃないって先生も言っていたでしょう?」

私は修一の急な変わり様が心配になり、不安な顔でそう言ってしまった。



修一は気分を害したように眉をひそめたが、そのことについてそれ以上は何も言わなかった。