シーンと静まり返る中、草可は大樹を見上げた。誰もいないのに、まるで親しい友人がいるかのように話しかける。



「君は琥珀姫の居場所知ってるんじゃないの?あ〜さすがの君にもわからないんだ?……ふーん、やっぱり難しいかあ」



端から見れば草可の独り言にしか映らないが、構わず続けた。



「やっぱり足りない、か……大樹の源である風と水が。これは風の国と水の国でなにかあったかもな」



草可は確信のある事しか言わない。それに自分だからわかる、大樹と自分には繋がりがあるからこそ。



草可はそのまま、水の中に倒れ込む。しばらくは帰って来ないであろうから、今のうちに身体を休めておこうと思い瞳を閉じる。






沈んでいく意識の中、草可は懐かしい面影を見た。