「あら?聞いてないの?」


お姉さんが不思議そうな顔をした


「はい…ちょっと忙しくて…」


まさか避けてたとは言えないよ


「え?でも彼女でしょ?番号知ってるんならかけたら?」


私は何て言えばいいのかパニックになりそうだった


「あのっ!お姉さん…この子ドジで、洗面所で携帯落として、データが消えちゃったんです。だからしばらく電話出来なくて、もしかしたら、彼、怒ってるんじゃないかって…」


結衣が咄嗟に助け船を出してくれた


「あら、そうなの?大変だったわね」


「この子、頼れるのがお姉さんしかいなくて…」