好き?キライ?…どっち?

「このホテルは、イタリアのクライアントのグループが経営しててね。日本にいる間はこうしてスイートを用意して、俺の行動を監視してるってワケ…」


「何それ…監視?」


「俺はカゴの中の鳥さ…」


日向さんが私の前で、初めて見せた弱さだった


「そんなこと…それはきっと、他の人に日向さんのイラストを取られないように、自分のモノにしたいから、だから…」


「ありがと…姫は優しいね」


日向さんが私を見つめる


「日向さん!私で良かったら、何でも愚痴って!私、日向さんのファンとして、ずっと応援するから!」


言おうと思っていたことがちゃんと言えた


「サンキューな」


日向さんが優しく微笑み、コーヒーを口にする


「俺が花のイラストを描いてるのは、母親の影響なんだ」