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私は声を潜めて静かに聞いていた


「昴、向こうの依頼分は出来そうなの?」


「まぁ、なんとかな…」


日向さんの声が溜め息と一緒に聞こえた


「イタリアの仕事が、後回しだって聞いたわよ?友達の結婚式だって言うから帰国させたけど…」


「大丈夫だよ!向こうのデザインはココで描いてるから」


何枚か紙の擦れる音がする


日向さんが女性にイラストを見せているのかな?


「まぁ…いいわ…早く仕上げなさい。仕事が出来なくなったら契約延長どころか契約破棄されちゃうんだから」