美大生に見えるかもしれないし、バレるワケない


日向さんを見失わないように急ぐ


「昴、来たわよ」

「相変わらず花が似合うわね〜」

「昴〜コッチ〜」


何人かの女性の声が聞こえた


私は廊下を歩く日向さんの後ろ姿を見ながら何気ない素振りで近付いた


内心ハラハラして心臓はバクバク


口の中はカラカラで、日向さんが後ろを振り返りませんようにと、それだけを願っていた


ある一室に入って行った日向さん


中からは悲鳴に近い黄色い声


日向さん、凄い人気…


美大の中でもホントに王子様なんだね