「最低…!」

あたしは、吐き捨てるように言うと涙を流していた。
「…っ。怖かった…。」

ナイフを突き付けられたなんて生まれて始めてだ。
あの恐怖感…トラウマになりそうだ。

政樹があたしを抱きしめると、怒りで震えているのが伝わって来る。

あたし達はそのまま無言で、これからどうすればいいのか、ただただ必死に答えを頭の中で探した。