「わからへん。」

「ついてったるわ。」


「…ありがとう。」

付き合うとこんな事も当たり前になってしまう。



ちょっと…

というか



かなり嬉しい。



「あそこや。待っといたるから早よ行ってこい。」

「うん!」



お店を出た少し曲がった所にあった。


水族館の敷居の中の外だから、人が多い。



それを掻き分けてトイレに行った。


そして出てきた時には…




なんで?

啓がいない…。


さっきまでそこで待ってるって言ってたのに…。

もしかしてトイレに行きたくなったから行ったとか?



人混みの中、私はベンチに座って啓を待っていた。

奈々達には心配かけないようにメールはしておいた。



「ねーねー、君1人?」

「え?」


「俺ら暇だからさぁ、相手してよ。」



今時そんなナンパの仕方で女の子がついていく訳ないやろ…。


「無理です。人待ってるので…。」

「いーじゃんいーじゃん。」

うわ…
手引っ張らんといてや。



すると






バッ!!







「?」

私の手を掴んでいたナンパ男の手を誰かがひねり返した。



啓!!?





と思い顔をみたら、違う人だった。




あれ…?

この人、何処かでー…?